Benjamin's LOG

実りの秋、小太りの冬

第3826号:レトロ踊り子

 特急乗り放題の特典を生かして、今回の箱根行きで初めて「踊り子号」に乗った。
 「スーパービュー」とか「リゾート」という冠詞が付かない、ごく普通の踊り子号、と言えば使われている車両は185系という急行型特急電車である。特急型の区分でありながら普通列車にも使うことを想定していたので、走行性能も設備も当時の急行型電車並みという、スタイルもさることながらその発想自体が国鉄としては斬新である、と言われていたのを思い出す。
 この車両、20年ほど前に一度だけ普通列車で乗った事があったのだが、特急としては初めて。普通の特急車と違って側窓が開閉可能である事もあって、走り始めると若干寒い。おそらくどこかから隙間風が入ってきているに違いない。そして、何よりもモーター音。デッキが付いている割に遮音性があまり良くないのは、急行型電車そのもの。仙台では1年以上も前に全廃された国鉄急行型電車の音を、ステンレスカーが行き交う大都会の東海道本線で聞けるとは思わなかった。ちょっと感激。

 車内についていた製造銘板を見たら、昭和56年製造と書いてあった。
 もはや風前の灯になっている中央線の201系とほぼ同期なんだが、こちらは全車健在。斬新な発想が使い勝手の良さを生んだのであろう。置き換えの噂も全く出てこないし、意外と半世紀くらい持ってしまうのかも。

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