Benjamin's LOG

気分一新

第3649号:未完音

揚流観音

(クリックで拡大します。その他の写真はこちらへどうぞ。)

 これは、女川三十三観音の一つ、一番観音こと揚流観音。
 こんな風に、観音様は丸石の表面に描かれている。と言っても、はっきり見えるものもあれば、この写真のように半分以上苔の衣装を纏ったものもあって、そのお姿を全て見るのは今となっては難しいようだ。
 更に言えば、遊歩道沿いには三十二体しか存在しない。
 三十三体目は、遊歩道へ至る道の途中に別の入口があって、そこからアプローチできるようになっている。三十三番目だからやはり三十二番の次に行くべきだろう、ということで帰りに寄ったのだが、肝心の観音様は補陀閣という名の倉庫廃寺の中に収められていて、拝むことは出来ず。

 とまぁ、三日に渉って紹介した女川三十三観音、一言で言えば「惜しい」。
 普段から多くの人が立ち入っているようには見えない山道の遊歩道、木々しか望めない展望台、三十三体目が拝めない観音様。どれをとってもあと少しのところで名所になれなかった感が漂っている。余談だが、三十二体目を過ぎて下る道は、半分くらい藪漕ぎで、その先は枯れ川を歩いているような感じであった。
 遊歩道入口の看板には平成八年の日付があるのだけど、あの頃はまだ展望台から美しい女川湾が見られたのであろうか。それにしてもこのまま寂れさせるには少々勿体無い、そんな気分になりながら女川駅へ向かったのであった。

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