Benjamin's LOG

戯言を 綴り続けて 早10年
記録が増えて 減るのは記憶 あと髪の毛

第3080号:キハ52

 私の記憶にある中で、人生で初めて乗った線路上を走るディーゼルカーは小海線のキハ52型だったと思う。
 当時は小学校に上がる前。電車と気動車の違いもわからないくらいだったはずなのだが、何故かこのキハ52という形式名だけはよく覚えている。10両編成が当たり前の中央線や総武線の電車を見て育った身には、1両か2両でのんびりと走る高原列車が余程印象に残っていたのだろうか。

 それが、今から30年くらい前の話。
 この週末で、盛岡地区を走っていたキハ52が引退するというニュースを見てふと思い出したのであるが、考えてみれば当時小海線を走っていた車両は導入したてのピッカピカだったわけではない。つまり、もう半世紀近くも走り続けていたことになる。
 たまたま昨年は縁あって米坂線と大糸線でキハ52に乗ることが出来たのだけど、これらの路線の状況も含めて考えてみれば、2エンジンの山岳用気動車が走る路線なんてのはひっきりなしに起終点間を往復するわけでもなく、かといって長距離を走るわけでもないから、自ずと車両の寿命が延びたのと同時に積極的に新車を導入するきっかけも無かったと言うことなのであろう。それともう一つ、最新型の車両に比べれば確かに重くて燃費が悪いかもしれないけれど、やはり国鉄型の車両は1に頑丈、2に長持ちという基本コンセプトがしっかりしていたに違いない。

 また一つ、国鉄の記憶が消えていく。
 寂しいようだが、これも時代の流れ。同期の他の車両たちはとっくに引退しているわけだから、長生きした車両に対してまずはお疲れ様と言うべきなんだろうね。

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