Benjamin's LOG

戯言を 綴り続けて 早10年
記録が増えて 減るのは記憶 あと髪の毛

第24号:霜月

 日本の古い呼称では、11月のことを霜月と呼ぶ。
 東京にいるときはあまり感じなかったが、仙台に来てからはその名の通り11月に霜が降りることが多い。現に、明朝の最低気温予想は5度。東京だったら真冬の寒さである。

 一度だけ、11月に雪が降ったことがある。丁度3年前。
 雪と言っても積もるような雪ではなく、小雪がちらつく、といった程度なのであるが、私にとってはこの雪が非常に印象深い。それは、その時、前週に吹いた大風で曲がった無線部のアンテナマストを、35mのタワーの上で金鋸で切断していたからである。
 何の事やら、とお思いになる方が殆どだと思うが、実はこれは決死の作業であった。マストの先にアンテナがついたままほぼ90度に曲がってしまったため、マストだけ引き抜くことが出来ず、結局マストを根元で切断してばらすしか方法がなかったのである。一歩間違えば、折れたマストがタワーを直撃、その振動でタワーが折れる、という大惨事にもなりかねなかったのであるが、実際は幸いなことに先端についたアンテナが吸収材の役割を果たしたのか、アンテナ部がタワーに当たったものの、わずかな衝撃だけで事なきを得ることが出来た。今思い出してもあれは恐ろしい作業であった。

 しかし、一連の作業が終わってから、壊れたアンテナを修復して月末のコンテストに参戦してしまうあたり、当時の無線部には結構なパワーがあったのだが、果たして今同じ事が起きたらどうであろうか。私は2度と折れたマストの処理はしたくない・・・

Comments

Comment Form

Trackbacks