第4648号:鎮魂
- 2012/03/11 日 17:32
- 日々徒然
正直なところ、1年経っても、目を開いて被災地の状況を見たいとは思わない。
これは、我欲の一端から来る我が儘なのだろうか。
幸いにして、直接の知り合いで大きな被害を受けた人はいなかったが、宮城県に居住まいを構えていた13年間、特に2年前までの7年間に度々訪れた女川や気仙沼をはじめとする沿岸の街で出会った方々は、どうなったのだろうか。
地震が起きた日の2日後に訪れる予定だった女川が、街ごと消えてしまったかのような映像は、いつ見ても空しい気持ちにしかしてくれない。マリンパルで魚を売っていた商店主や駐車場整理をしていた誘導員、多分、週末の毛ガニ祭に向けて皆で準備をしていた頃だったのではないか。この中には、名前を知らずとも何度も会っていた人もいたように思える。そう考えるだけで、空しい。
しかし、いつまでも現実から目を背けているわけにもいくまい。
マリンパルにあったおさかな市場は、仮店舗で営業を再開したという情報も入ってきている。残された人々は、新たな街造りのために必死なのだ。その現実を目を開いて見つつ、彼らに世話になった者として、機会あらば足を運びたい。それが、1年経った日の、私なりの区切り。
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