Benjamin's LOG

　学会会場を出てから少し時間があったので、駅へ向かう人の列とは反対側のバス停へ。
　思えば最初に仙台へ来た時、初めて乗った市営バスが青葉城址循環だった。今と違って当時は広瀬通から仲の瀬橋経由だったけど、川内キャンパスを出てぐねぐねと曲がりながら青葉山キャンパスをぐるりと回り、またぐねぐねと走りながら青葉城址の側を通り、下って上ってを繰り返しながら八木山を抜けて行くバスは、都心のバスしか知らない高3生には新鮮だった。

　あれからはや二十数年。
　青葉城址循環は動物公園循環と名前を変え、広瀬通から青葉通経由に変わり、途中のバス停の名前も変わっているけれど、エンジンを唸らせながらぐねぐね道を登っていく様だけは昔と変わっていなかった。
　そんなバスも、来春地下鉄が開業すれば廃止されてしまう。真っ直ぐ仙台駅へ向かうより余計に時間を掛けたけれど、学生時代の思い出に浸るには全然足りず、社会人時代まで含めればほんの一部でしかない、そんなバス旅を最後に追加して、第二の故郷、仙台を後にしたのであった。